#008 【毒見】 [世界の終りに贈る歌]
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母親は、自分の子をいつまでも子供扱いする傾向にあると言われるが、うちもそうらしい。
「先生にご迷惑をお掛けしないようにね」
母はそう言って、お茶菓子を僕に持たせた。
「・・・で、どういう風の吹き回し?まさか、黙ってる代わりにヤらせろとかいう話じゃないよね?」
折角お菓子まで持参したのに、そんな不機嫌そうな態度で出迎えられるとちょっと悲しいな。
ヨシミ先生の部屋は、やっぱり少し煙草臭かった。そして、僕をピンク色のテーブルに着かせると向かい側に座って煙草に火を点ける。
「臭いが移ると困るので、申し訳ないけど煙草はやめてもらえますか?」
僕は丁寧に断る。髪や服から煙草の臭いをさせて僕が帰ったら、困るのはヨシミ先生の方だと思うんだけど。
先生は無言で火を押し消し、灰皿を流しに下げる。
「ねえ。なんでうちに来たいって言ったのよ。何か取り引きするつもりなんでしょ?」
その表情には嘲りのようなものが浮かんでいる。
勉強しか取り得のない童貞のガキが、女子大生相手にあらぬ妄想を抱いている、とでも考えているんだろうか・・・
まあ、当たらずとも遠からずってところだけど。
「取り引きになるのかな。僕は僕の探究心を満足させて欲しいだけなんだけど」
僕はにっこりする。
「ヨシミ先生。物理専攻じゃないんじゃない?そもそも理系なのかどうかも怪しいと思っていたんだけど。どう?」
先生は眉間に皺を作り、黙ったまま流しへ向かう。そして冷蔵庫から缶ビールを取り出して来た。
「面白いボクちゃんじゃない?勉強がおできになるだけじゃなさそうね」
そう言いながら缶を開け、立ったまま1人で飲み始める。
お酒なら匂いは移らなさそうだから許容範囲か・・・僕はヨシミ先生の喉が鳴る様子を見つめながら思う。
「それでなんの探求をなさりたいの?ふふ・・・」
ようやく椅子に座ると、彼女は胸を強調するように身を乗り出した。
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母親は、自分の子をいつまでも子供扱いする傾向にあると言われるが、うちもそうらしい。
「先生にご迷惑をお掛けしないようにね」
母はそう言って、お茶菓子を僕に持たせた。
「・・・で、どういう風の吹き回し?まさか、黙ってる代わりにヤらせろとかいう話じゃないよね?」
折角お菓子まで持参したのに、そんな不機嫌そうな態度で出迎えられるとちょっと悲しいな。
ヨシミ先生の部屋は、やっぱり少し煙草臭かった。そして、僕をピンク色のテーブルに着かせると向かい側に座って煙草に火を点ける。
「臭いが移ると困るので、申し訳ないけど煙草はやめてもらえますか?」
僕は丁寧に断る。髪や服から煙草の臭いをさせて僕が帰ったら、困るのはヨシミ先生の方だと思うんだけど。
先生は無言で火を押し消し、灰皿を流しに下げる。
「ねえ。なんでうちに来たいって言ったのよ。何か取り引きするつもりなんでしょ?」
その表情には嘲りのようなものが浮かんでいる。
勉強しか取り得のない童貞のガキが、女子大生相手にあらぬ妄想を抱いている、とでも考えているんだろうか・・・
まあ、当たらずとも遠からずってところだけど。
「取り引きになるのかな。僕は僕の探究心を満足させて欲しいだけなんだけど」
僕はにっこりする。
「ヨシミ先生。物理専攻じゃないんじゃない?そもそも理系なのかどうかも怪しいと思っていたんだけど。どう?」
先生は眉間に皺を作り、黙ったまま流しへ向かう。そして冷蔵庫から缶ビールを取り出して来た。
「面白いボクちゃんじゃない?勉強がおできになるだけじゃなさそうね」
そう言いながら缶を開け、立ったまま1人で飲み始める。
お酒なら匂いは移らなさそうだから許容範囲か・・・僕はヨシミ先生の喉が鳴る様子を見つめながら思う。
「それでなんの探求をなさりたいの?ふふ・・・」
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