#049 【ピーチ】 [世界の終りに贈る歌]
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先生は電話の相手が誰だかわからないらしい。僕は面白くなってくすりと笑った。
「おはようございますほの香先生。久保です。急なんですけど、今日、会えませんか?」
「あぁ・・・司くんだったの。いいけど・・・どうしたの?」
明らかにさっきとは態度が違い『先生』っぽくなっている。僕は苦笑しながら会う時間を決めて準備を急ぐ。
「先生の家に行って来る。大事な話があるんだ」
僕がそう言うと母は少し驚いた顔をしていたが、特に何も訊かず送り出してくれた。
逸る気持ちが足を急がせる。
でも会った時に汗臭かったら嫌だな・・・そう思う自分が、我ながら少し滑稽だった。
ドアを開けたほの香先生の髪が濡れていた。
「ごめん。急いでシャワー浴びたんだけど」
僕の視線の先に気付いて、先生は笑う。
「いえ、僕も急に・・・すみません」
「とりあえず上がって」
笑顔のまま、先生は僕を促した。
初めて入った先生の部屋は暖かく、コーヒーの香りとシャンプーの甘い香りが混ざっている。
「そこ、テーブルの辺りにでも座ってて」
そう言って先生は毛足の長いラグマットを指し、小さなキッチンへ向かう。
僕はどきどきしながら先生がテーブルに着くのを待った。
「迷わなかった?」
先生はカップを2つ手にして訊く。
「この辺、似たような建物が多くて・・・ちょっと迷いそうになりました」
僕が答えると、先生はまた笑う。
そんな話をしに来たんじゃない・・・そう思う僕と、このまま世間話で時間が過ぎるのを望む僕。
僕の中で正反対の気持ちが静かに争っている。
「で、どうしたの?改まっちゃって」
コーヒーを吹き冷ましながら先生は僕を見た。
「僕、とても重要なことに気付いたんです。聞いてもらえますか?」
「あら、何かしら・・・昨日の宿題のこと?」
「そうかな・・・そうかも。先生、僕と付き合いませんか?」
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先生は電話の相手が誰だかわからないらしい。僕は面白くなってくすりと笑った。
「おはようございますほの香先生。久保です。急なんですけど、今日、会えませんか?」
「あぁ・・・司くんだったの。いいけど・・・どうしたの?」
明らかにさっきとは態度が違い『先生』っぽくなっている。僕は苦笑しながら会う時間を決めて準備を急ぐ。
「先生の家に行って来る。大事な話があるんだ」
僕がそう言うと母は少し驚いた顔をしていたが、特に何も訊かず送り出してくれた。
逸る気持ちが足を急がせる。
でも会った時に汗臭かったら嫌だな・・・そう思う自分が、我ながら少し滑稽だった。
ドアを開けたほの香先生の髪が濡れていた。
「ごめん。急いでシャワー浴びたんだけど」
僕の視線の先に気付いて、先生は笑う。
「いえ、僕も急に・・・すみません」
「とりあえず上がって」
笑顔のまま、先生は僕を促した。
初めて入った先生の部屋は暖かく、コーヒーの香りとシャンプーの甘い香りが混ざっている。
「そこ、テーブルの辺りにでも座ってて」
そう言って先生は毛足の長いラグマットを指し、小さなキッチンへ向かう。
僕はどきどきしながら先生がテーブルに着くのを待った。
「迷わなかった?」
先生はカップを2つ手にして訊く。
「この辺、似たような建物が多くて・・・ちょっと迷いそうになりました」
僕が答えると、先生はまた笑う。
そんな話をしに来たんじゃない・・・そう思う僕と、このまま世間話で時間が過ぎるのを望む僕。
僕の中で正反対の気持ちが静かに争っている。
「で、どうしたの?改まっちゃって」
コーヒーを吹き冷ましながら先生は僕を見た。
「僕、とても重要なことに気付いたんです。聞いてもらえますか?」
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