#017 【ルカ】 [世界の終りに贈る歌]
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「あれ?この人休学中なの?」
「そうなのよ・・・成績は優秀な方らしいんだけど」
食器を片付けながら、母がうなずいた。どうやらそこを気にしているらしい。
「病気療養中って・・・そっか。でも伝染るわけじゃないんでしょ?」
伝染性の病気なら、アルバイトしようなんて思わないだろうし。
「でもほら・・・前に面接に来た人で、野々村さんって、覚えてる?そういう場合もあるから」
野々村・・・?どんな人だったっけ。僕は基本的に、必要のない人の情報は覚えないからなぁ。
大体、母でも見抜ける程度の嘘つきなら母が却下するし、そうじゃない場合で断った人って・・・
「ひょっとして、突然キレた人?」
「ええ、その人。どんなに優秀な方でも、精神的に弱ってたらつ~ちゃんの先生をお願いできないと思うのよ」
まぁそれは当然だけど。また問題集を投げつけられるのはごめんだからね。
「この人はとりあえず面接してみればいいんじゃない?あと、もう他の人の書類ってないの?」
いつも、少なくても3~4人、多い時には10人くらい応募して来るのに。
「時期が中途半端で、今新規のアルバイトを探している人ってあまりいないんですって」
「そうか・・・まぁ、そうだよね。じゃあたまたま休学してたこの人だけなんだ」
正直、あまり気乗りしないけどしょうがない。
本当は、多少乱暴に扱っても大丈夫なくらい、健康体の人の方がいいんだけどな。
* * * * * * * * * *
数日後、僕たちは駅前のファミレスで待ち合わせた。
晴れていて、とても寒い日だったのを覚えている。前日までの雪がきらきらと眩しく輝いていたのも。
約束の10分前に来たその人は、写真の印象と変わらず『きれい』な笑顔。不健康そうには見えない。
そして驚いたのは、人見知りをする弟が真っ先に懐いたことだった。
自分から手を伸ばし、初対面の人に抱かれて嬉しそうな弟。僕と母は顔を見合わせた。
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「あれ?この人休学中なの?」
「そうなのよ・・・成績は優秀な方らしいんだけど」
食器を片付けながら、母がうなずいた。どうやらそこを気にしているらしい。
「病気療養中って・・・そっか。でも伝染るわけじゃないんでしょ?」
伝染性の病気なら、アルバイトしようなんて思わないだろうし。
「でもほら・・・前に面接に来た人で、野々村さんって、覚えてる?そういう場合もあるから」
野々村・・・?どんな人だったっけ。僕は基本的に、必要のない人の情報は覚えないからなぁ。
大体、母でも見抜ける程度の嘘つきなら母が却下するし、そうじゃない場合で断った人って・・・
「ひょっとして、突然キレた人?」
「ええ、その人。どんなに優秀な方でも、精神的に弱ってたらつ~ちゃんの先生をお願いできないと思うのよ」
まぁそれは当然だけど。また問題集を投げつけられるのはごめんだからね。
「この人はとりあえず面接してみればいいんじゃない?あと、もう他の人の書類ってないの?」
いつも、少なくても3~4人、多い時には10人くらい応募して来るのに。
「時期が中途半端で、今新規のアルバイトを探している人ってあまりいないんですって」
「そうか・・・まぁ、そうだよね。じゃあたまたま休学してたこの人だけなんだ」
正直、あまり気乗りしないけどしょうがない。
本当は、多少乱暴に扱っても大丈夫なくらい、健康体の人の方がいいんだけどな。
* * * * * * * * * *
数日後、僕たちは駅前のファミレスで待ち合わせた。
晴れていて、とても寒い日だったのを覚えている。前日までの雪がきらきらと眩しく輝いていたのも。
約束の10分前に来たその人は、写真の印象と変わらず『きれい』な笑顔。不健康そうには見えない。
そして驚いたのは、人見知りをする弟が真っ先に懐いたことだった。
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